翻訳料金のめやすと計算方法

1)翻訳料金の計算方法

2)プロ翻訳者が提示する希望料金単価の一覧

3)翻訳会社が提示する希望料金単価の一覧

4)業界団体が提示する翻訳料金めやす(翻訳会社の場合)

5)専門誌によるアンケート調査(フリーランス翻訳者の場合)

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1) 翻訳料金の計算方法

a) 出来高制

翻訳料金の計算方法には、伝統的に出来高制が採用されています。一般に著述業界では400字詰め原稿用紙の枚数に単価を掛け合わせて原稿料を算出しますが、翻訳業界でも外国語から日本語に訳す場合は、同じ方法で計算します。

※日本語翻訳済み原稿用紙枚数(1枚400文字)×単価(円)

日本語から英語に訳す場合は、A4用紙1枚で英単語が180~200個あるとみなし、計算します。これは機械式タイプライターを使用していた頃の名残だそうです。

※英文翻訳済みA4用紙枚数(1枚180~200words)×単価(円)

b) 原語カウント制

出来高制では、実際に訳文が完成するまで正確な翻訳料金がわからない、翻訳者の技量や文章嗜好によって訳文の量に差がある、などの不都合な面があります。そのため、紙文書に替わる電子文書時代の主流になりつつあるのが、原語で正確に料金を決める方法です。英文和訳の場合は英語の単語数で翻訳料金が決まります。

※ 英語の単語数(words)×単価(円)

4) 業界団体が提示する翻訳料金のめやす(翻訳会社)

産業翻訳請負事業者の業界団体、JTF(社団法人日本翻訳連盟)のWebサイトに翻訳料金のめやすが示されています。主に翻訳専門会社に発注した場合の料金めやすです。
※注)2017年2月24日付の日本翻訳連盟事務局からの要請に従い、最新版の料金を反映し、変化が分かりやすいように併記しました(※2006年12月 → 2017年2月)。

英語 ⇔日本語翻訳/分野 英文和訳 和文英訳
コンピュータ・マニュアル 30→28円 (3,750→3,500) 35→20円 (7,000→4,000)
一般科学・工業技術 35→28円 (5,250→4,200) 40→21円 (8,000→4,200)
経営管理・財務・契約書 40→30円 (6,000→4,500) 45→25円 (9,000→5,000)
金融 →30円 (→4,500) →25円 (→5,000)
医学・薬学 45→35円 (6,750→5,250) 60→30円 (12,000→6,000)
特許明細書 50→26円 (8,750→4,550) 70→30円 (14,000→6,000)
※単価の計算方法 英語原文1ワードあたり
(訳文400字あたり)
日本語原文1文字あたり
(訳文200ワードあたり)

このJTF版めやすについては、翻訳だけではなく編集やDTP、対訳用語集作成など付帯業務すべてを含めた価格だという見方もあります。翻訳会社が営業広告で掲示している希望翻訳料金の一覧は、翻訳会社希望料金単価。実際の相場を知りたいときには、複数の翻訳会社から相見積もりをとって料金やサービスを比較するのも良い方法です。

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5) 雑誌調査による料金の相場(フリーランス翻訳者)

『通訳/翻訳・ジャーナル』誌(隔月刊)2006年10月号の特集記事によると、フリーランス個人翻訳者が受け取る報酬単価の基準は以下のようになるそうです。※翻訳会社にアンケート回答を依頼。

  最低単価 相場下限 相場上限 最高単価  単価計算方法
英→日翻訳の
報酬単価
1,000円~ 1,550円 2,306円 ~3,500円 (日本語訳文400字あたり)
(英文和訳) 7円~ 10円 15円 ~35円  (原文1ワードあたり)
         
日→英翻訳の
報酬単価
1,500円~ 2,607円 3,851円 ~10,000円 (英語訳文200ワードあたり) 
(和文英訳)          

案件の専門分野や難易度によって、違いがあります。急ぎの案件では、追加料金(特急料金など)が加算される場合もあります。不況下で行われた前回2001年の調査に比べると、景気回復を反映して、上昇傾向がみられるそうです。

プロ翻訳者が自身の営業広告で提示している最新の希望料金単価の一覧をご覧ください。

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