プロ翻訳者のツール利用状況レポート 翻訳ソフト

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リスト プロ翻訳者が翻訳作業に使用するソフトウェア利用率ランキング
(データソース:翻訳者ディレクトリ 調査方法:プログラムによる自動集計方式)

調査対象5027人 調査日時2024年11月21日03時05分
1位Word(Office) 3134人62.3%Office
2位PowerPoint 1009人20%Office
3位TRADOS 871人17.3%CAT
4位Phrase310人6.1%CAT ※旧Memsource
5位PhotoShop 228人4.5%Creative
6位MemoQ208人4.1%CAT
7位SST G1107人2.1%Subtitle
8位WordFast 102人2%TM
9位SDLX 55人1%TM
10位PageMaker 49人0.9%DTP
11位OmegaT 48人0.9%TM ※オープンソース
12位XTM46人0.9%Cloud TMS
13位FrameMaker 43人0.8%DTP
14位XBench37人0.7%QA
15位Idiom WorldServer 36人0.7%TM+GMS
16位Transit 35人0.6%TM
17位Passolo 33人0.6%
18位Translation Workspace 32人0.6%TM
19位秀丸エディタ 30人0.5%Editor
20位Catalyst 21人0.4%
21位TraTool 14人0.2%TM
22位IBM TM/2 14人0.2%TM
23位ATLAS 11人0.2%MT+TM
24位MED-Transer 7人0.1%MT+TM
25位PC-Transer 6人0.1%MT+TM
26位Dejavu 5人0%TM

リスト解説

翻訳業界の機械翻訳利用状況

近年の機械翻訳技術の革新的進歩により、一昔前とは比較にならないほど機械翻訳の性能が向上しました。用途や言語ペアによっては、そのまま使える訳文も増えています。コンピュータマニュアルなどでは、すでに機械翻訳の適用が第一選択です。
プロの翻訳事業者も、コスト削減を優先するプロジェクトなどで、積極的に機械翻訳と後編集(MTPE)を導入するのが当たり前になっています。CATツールも、従来の翻訳メモリ(TM)に加えて、機械翻訳エンジンを自由に選択して後編集(MTPE)ができる機能を装えた製品が主流になっています。
ただし、注意が必要なのは、機械翻訳エンジンごとの性能に大きな差があるため、どんな翻訳ソフトを使っても満足のいく結果が得られるわけではありません。
マーケティングや広告、文芸など対象の文章によっては、そもそも機械翻訳に適さないケースもあります。映像素材の機械翻訳技術はまだ登場していません。従来型のプロ翻訳者による翻訳サービスでは、機械翻訳案件との差別化を図るため、トランスクリエーションという造語が使われるようになり、人手による芸術的翻訳作業の優位性を訴求しています。
また、機械翻訳出力結果の後編集(MTPE)は、充分な翻訳実務経験がないと誤訳の見落としや文意のずれを発生させる可能性が高く、自然な日本語への書き換えにも高いスキルが要求されます。
誰でも常に機械翻訳を使えば、そのまま通用する訳文が得られるレベルには、まだ到達していないので注意が必要です。

・MT 機械翻訳(Machine Translation=MT)≒ 翻訳ソフト
・SMT 統計的機械翻訳
・NMT ニューラル機械翻訳
・TM 原文と訳文をデータベース化して再利用する翻訳メモリ(Translaton Memory=TM)
・MTPE 機械翻訳後編集(Machine Translation Post Edit)
・CAT キャットツール。翻訳作業を効率的に行うための統合翻訳作業環境(Computer Aided Translation)のこと。TM+MT+PE+QA(訳文品質管理)といった翻訳作業に必要なツールが統合されている。

プロ翻訳者にとってのMTPE

翻訳業界への機械翻訳導入が進むにつれて、プロ翻訳者の業務に占めるMTPEの割合が増加しています。
それでも、翻訳者の中には、機械翻訳の後編集作業を好まない人や拒絶する人が依然として存在します。その理由には「翻訳の仕事をする喜びが感じられない」「機械出力の後編集に苦痛を覚える」「仕事として魅力がない」などがあげられます。
噂レベルの話ですが、悪質な翻訳ブローカーがコストを下げるために数世代前の古い翻訳エンジンを使って低品質の訳文を生成し、その後始末を翻訳者に押し付けているのではないかと疑いを持つ翻訳者もいるそうです。

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翻訳ソフトの選び方と使いこなし

完成度の高い訳文を追求する翻訳のプロには好まれない機械翻訳ですが、市販の翻訳ソフト(MT)でも、「大意を把握する」「用語の辞書引きを自動化する」といった用途には、一定の効果が期待できます。一般の方が翻訳ソフトを購入するときは、人気があってよく売れている製品を選択するというのも、ひとつの方法です。ベストセラーPCソフト

翻訳ソフトを購入して、ただちに良好な翻訳結果を得られるということは、まずありません。自分がよく利用する題材や専門分野に合わせて、ユーザー辞書を整備するなど、翻訳ソフトの環境を最適化していく手続きが必要です。つまり、期待どおりの結果を得るためには、ある程度の使いこなしや熟練が必要になります。特定の専門分野で翻訳ソフトを使用する場合は、オプションで専門分野別辞書が用意されているかどうかを選択の基準にすることもできるでしょう。
また、特定の専門分野に特化した翻訳ソフトも発売されています。あらかじめ用途や目的がはっきりしている場合は、専門分野に最適化されたソフトを選択すれば、別途、専門分野辞書を購入する必要がなく、ユーザー辞書をゼロから構築していく手間を省けます。 ベストセラーPCソフト
組織内で長期にわたり複数の担当者が翻訳ソフトを利用するという使い方をする場合は、UTX(Universal Terminology eXchange)または UPF (Universal PlatForm)といったユーザー辞書の標準仕様に対応している翻訳ソフトを選択すると良いでしょう。将来、技術の進歩に合わせて翻訳ソフトを買い替えることになった場合でも、それまで蓄積したユーザー辞書の資産を無駄にすることなく、引き続き利用して発展させていくことができます。

言語ペアについて

自動翻訳(=機械翻訳 MT)は、インド・ヨーロッパ語族ロマンス語系諸言語(フランス語、スペイン語、イタリア語)間は、比較的精度が高く、英語とロマンス語系言語・ゲルマン語系言語については、PE(後編集)が不要で実用レベルだと言われています。 文法構造に類似の多い日本語と韓国語間でも、比較的良好な結果が得られます。中国語と日本語は言語学的には別系統の言語ですが、歴史的経緯で千年以上にわたり中国文化を吸収し続けて成立したのが現代日本語であるため、中国語から日本語への機械翻訳でも実用上問題のないレベルの訳文が得られます。
欧州・アジアを問わず、英語が国際ビジネスの標準語であるため、日本国内では、英語と日本語間の翻訳需要が大半ですが、中国市場でのビジネスチャンス拡大を反映して、中国語翻訳ソフトも数多くの製品が市販されています。 ベストセラーPCソフト

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